話題のビジネス書『残酷すぎる成功法則』を読んでみました。個人的に気になった部分をピックアップしつつ感想を書きました。読もうかどうか迷っている方、既に読んだ方の何かしらの参考になれば幸いです。
仕事をゲームにするための4つの条件
本書の中で仕事はシンドイのに、単調に見えるゲームに没頭できるのは何故かという話があった。モンハンクロス・ダブルクロスを通算1000時間以上やってる私には実にピンと来る内容。で、仕事もゲームみたいに楽しめれたらいいんじゃないかという提言。その中で仕事をゲームにするための4つの条件というのが紹介されてました。具体的には以下の4つ。
(条件1)勝てること
(条件2)斬新な課題
(条件3)目標
(条件4)フィードバック
この条件だけ挙げても意味が分からないので、モンハンに当てはめてみます。
まず、条件1の勝てること。これは簡単ですよね。ようするにモンスターと戦って倒すことができる、ということです。ただ、本の中でも紹介されているんですが、テレビゲームをやっているプレイヤーはプレイ中の8割は失敗しているそうです。それでも飽きずに続けられる要素が条件2以降に隠れているんですね。
条件2の斬新な課題。これをモンハンに当てはめると、次から次へと依頼が来るクエストのことですね。新しいモンスターやクエストが手を変え品を変え出てきます。また、発売後も特別なクエストがダウンロード配信されたり、USJやらセーラームーンやらゼルダやらとコラボしたクエストも追加されていきます。時には燼滅刃狩猟依頼G5みたいにエリア移動できない溶岩島でディノバルド2体を同時に相手にするという理不尽なものもあります。ソロでは厳しくても、マルチプレイならクリアできちゃいますからね。飽きがこない。
条件3の目標。これもモンハンでは明確ですね。クエストごとにメインターゲットとサブターゲットが設定されているので、それが目標になります。また、クエストクリア以外にも、鎧裂の太刀を最終強化したいとか、燼滅刃の防具一式を最終強化したい、というように武器や防具なども目標になったりします。
条件4のフィードバック。これは、何分でクエストをクリアできたとか、武器ごとの使用回数とか、一定の条件を満たすともらえる勲章とかのことでしょうね。単純に記録されている通算プレイ時間もフィードバックの一種といえそうです。「こんなにがんばってきた証明」みたいなものといえそうです。
こうやって見てみると、確かにゲームってこの4条件をしっかりと満たしていますね。仕事もこんな風に取り組むと、やり込み要素たっぷりの神ゲーになりそうです。
理想の結婚相手を見つける理論
いつかは結婚しよう、と漠然と思いつつ独身でズルズルと歳を重ねている私にとっては、とても興味深いテーマでした。何人とデートするといったことまで、具体的な数字で示されているので参考になるかもしれません。本書の155ページから書かれているので気になる方はチェックしてみてください。
空前絶後のヒット本「ザ・シークレット」に明確にNOという
2007年に日本でも発売された「ザ・シークレット」という本は売れてましたよね。「ザ・シークレット」を知らないという方も「引き寄せの法則」という言葉は聞いたことがあるかもしれません。要するにその類の本です。で、『残酷すぎる成功法則』は明確に「引き寄せの法則」の効果についてNOと言っています。夢を見ることは大事、でもそのあとに計画して行動に移して継続していくことが一番重要、というスタンス。ごもっともです。
私も「ザ・シークレット」は読みました。個人的にはそこまで否定的には捉えていません。確かに「そうだったらいいな」とは思える内容だったけど、ザ・シークレット読んで成功したって人聞いたことないのが現実。ただ、私が知らないだけで「ザ・シークレット」のおかげで人生が好転したという人もいるだろから、好きな人はそれでいいと思う。
人は提供された食事をとる間、提供者に対して一時的に服従の心理状態になる
この話を読んだ時に、プリズンブレイクのシーズン2を思い出しました。フォックスリバー刑務所の看守長を務めるベリックがトゥイーナーにハンバーガーを与えてマイケルの情報を引き出してた場面。刑務所という特殊な環境じゃなくても、こういった効果があるんだなぁって妙に感心しました。難しい商談なんかに活用できそう。
結局何が残酷だったのか?
「成功するためにはあきらめなければいけないことが想像以上に多い」という事実。これが残酷だと思える部分なのかなと思いました。本の中では、「何かを達成したいなら、その対象に偏執的・誇大妄想的に没頭する必要がある」と断言してます。
確かに昨日の関ジャムというテレビ番組で「なぜ2世の音楽家は成功するのか?」っていう特集をやっていたけど、彼ら彼女らの練習時間って尋常じゃなかった。バイオリニストの宮本笑里さんなんて体育の授業は全部見学だったそうな。指を痛めたらいけないから。「それ、やりすぎじゃね?」って思うのは一般人感覚なんだろうなぁ。
ま、そんなこんなで私は何かに特化して世界レベルに突き抜けるというのは無理だろうということが分かりました。そのことを知ってしまう事に対して残酷といっているのかもしれない。それでも、楽しいし、結構満足してるので気にしない。ただ、何も考えずにダラダラと過ごしていってしまいがちなので、「何かに時間を使うということは、何かをする時間を捨てること」ということを時々は思い出そうと思う。
その他に気になったこと
それぞれのテーマについてのエビデンス(証拠)もしっかりとしてるし、関連エピソードも豊富に書かれている本でした。それだけに興味深い部分は他にも色々とありすぎ。
ショートスリーパーは人口の1~3%しかいないという事実
たぶん、急に「俺はショートスリーパー」宣言し始める人はニセモノ。睡眠は大事です。40歳を過ぎた頃にツケが回ってくる可能性もあるので、四の五の言わずに寝るのが一番。
仕事がいつでもできる時代、仕事をしないという選択を決断する負荷がかかっているという見解
便利さが私たちの首を絞めているような現実。これはなんとなく感じますね。効率化や科学の進歩は逆流できないので、しょうがないっちゃしょうがない所。私も新卒時にお世話になった会社で経理をしてたとき、「20年前は今の4倍くらいの人たちで決算をまとめてた」って大先輩が遠い目をして言ってたのを思い出しました。そろばんが電卓になり、エクセルになり人員は4分の1になって成果物は同じでも給料は上がってないという事実。ま、そんなもんなんでしょうね。息抜きとか無理やりにでも作っていかなきゃです。
チンギスハンの凄さ
日馬富士暴力問題でテレビが騒いでる時期にアレだけど、チンギスハンの逸話がおもしろかった。たった10万の遊牧民を率いて中国やヨーロッパを征した計画性って、確かにスゴイ。そのうちチンギスハン関連の本を読んでみようと思います。
残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する
すべての主張にエビデンス(証拠)がついているので説得力があるし、最後まで興味深く読めた。このビジネス書、1500円はお買い得だと思う。
単行本(ソフトカバー): 400ページ
出版社: 飛鳥新社 (2017/10/25)
言語: 日本語
ISBN-10: 4864105758
ISBN-13: 978-4864105750
発売日: 2017/10/25
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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