ローマ人の物語の著者がどんな事書いてるのか興味があったから読んでみた
塩野七生さんを知ったのは高校の頃です。成績優秀なクラスメイトが『ローマ人の物語』を読んでて知りました。当時は「それ面白いの?」って思ってたけど、今さらながら興味が湧いたので手に取ってみました。ただ、この本は歴史に関する物語ではなくって、現実の時事的なことについてのコラムっぽい感じ。
読んでみて感じたのは、とにかく内容がウィットに富んでいるということ。塩野女史は日本を愛しているんだけど、もう長いことイタリアに在住している。そんな彼女の視点から放たれる言葉は、斬新でラディカルなものが多い。ローマ、ギリシア、ベネツィア、フィレンツェの歴史と向き合って咀嚼して、アウトプットしてきたからこそ言える言葉があるんだろうなぁと思ってしまう。
この本の中で一番刺さったのは、「一神教の持つ危うさ」のくだり。一神教のすべてが悪いわけではないけれど、自分の信じる神を信じない人間を人とは見なさず何をやっても良心の呵責などない、という状態に陥る危険性を秘めているというところ。平々凡々と暮らしている私の日本人的な感覚は、やはり多神教のものなんだろうなぁと改めて思った。
国や文化を俯瞰してきたからか、塩野女史のモノの見方は時間的スパンが長い。だからこそ日常に忙殺されがちな私にとっては得るものが多かったのかもしれない。
逆襲される文明
塩野さんの著作をチェックして初めてベネツィアが1000年も独立していたと知りました。で、海の都の物語をソッコーで注文してしまった。
新書: 256ページ
出版社: 文藝春秋 (2017/9/20)
言語: 日本語
ISBN-10: 4166611402
ISBN-13: 978-4166611409
発売日: 2017/9/20
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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