『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』
なかなかに胡散臭いタイトルの本。
「結局は運と実力なんじゃないの?」
と思ってたクチですが、
それ以外の「勘違いさせる力」って何?
その「勘違いさせる力」とやらがどれほどのものなのか
とくとこの目で確かめさせてもらおうじゃないか!
という感じで好奇心アンテナがビンビン反応したので
買って読んでみました。
結論、ただの胡散臭い本じゃなかった。
人生はあなたが思ってる以上に運要素が強い
「運よりも実力よりも・・・」ってタイトルの本だけど、
実力よりも運要素の占める割合が高いってことも書かれていた。
本の中でプロゴルファーの成績などの事例で紹介されていた
「運要素 > 実力」という事実はめちゃ説得力があった。
僕が昔働いてた会社でも
運要素大事だなって思う光景を目にしたことがある。
仲良くさせてもらってた一個上の営業部の先輩が二人いて、
頭の切れるめっちゃ優秀なAさんと、
人当たりはいいけど小並感漂うBさん。
客観的にみてもAさんの評価が高そうだけど、
予想に反してBさんの方が会社からの評価は高く、給料も多かった。
なぜか?
答えは、単純。
Bさんの所属する課の大口得意先が
羽振りのいい会社だったから売上・利益とも大きかったからだ。
忙しさや、仕事のやり方を見ていると
Aさんの方が頑張っているように思えたけど、これが現実。
ちなみに、どの課に所属するかは
自分では決められない。
というか、当時僕もお世話になったその会社は
まぁまぁデカい規模だったので
総合職で入社して1か月ほど新人研修したのちに配属。
そんな流れだった。
僕なんて営業希望出してたのに経理配属になったしね。
要するにスマホゲームのガチャと同じ。
人事って、運要素濃いめなのだ。
かといって、努力を何もしないと
運すらも有効活用できなくなるので注意が必要。
優秀な人が成功するんじゃなくて、成功した人を昔から優秀だったと認識する
成功した実業家がニュースなどに取り上げられると、
昔からの知り合いが口をそろえて
「あの人は昔から優秀だったから」
とインタビューに答える場面を目にすることが多い。
果たして本当に、昔から優秀だったのか?
この疑問に本書は鋭いメスを入れる。
脳は過剰に一貫性を求めるところがあり
「あの人は事業で成功した」→「昔から優秀だったはず」
と記憶自体を書き換える。
しかも本人が無意識のうちに。
この事実は割と衝撃だった。
そして、昔さんざん悪口を言っていた相手に対して、
何事もなかったかのように親しげに接してる人の思考回路が
少しだけわかった気がした。
あれは、イカれてるわけじゃなくって
本人の脳内では過去の記憶ごと書き換わっている可能性があるということだ。
「今、仲がいい」→「昔からずっと親しくしていたハズ」
と過去の記憶が書き換えられてるってこと。
この記憶の書き換えが無意識で起きているという事実が怖い。
ま、このケースだと悪口言われてた側は絶対覚えてるだろうけど。
人の悪口なんて言うもんじゃない。
人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている
自分も含めて、価値観の錯覚の中で暮らしてるんだなってことを知れるのは
有意義なことだ。
その錯覚をどう生かすかを踏まえつつ
人生の戦略を練ってみるのも面白そうですぞ。
単行本(ソフトカバー): 365ページ
出版社: ダイヤモンド社 (2018/8/9)
言語: 日本語
ISBN-10: 9784478106341
ISBN-13: 978-4478106341
ASIN: 4478106347
発売日: 2018/8/9
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