なんとなく気になるタイトルだったので買ってみた。読書は最強の自己投資の一つだと考えている僕にとって、興味のある本を即ポチすることはライフワークみたいになってる。で、大当たりでした。
僕らは失敗を避けるように仕込まれている
本書のタイトルの通り、著者の光本勇介さんは経営者で「すべてのビジネスは実験だ」と言い切ってる。このマインドって実はすごく大事。僕も含めて教育を受けて社会に出てルールを学んでフツーに過ごしてきたつもりが、無意識のうちに「失敗=悪」「失敗=忌み嫌い避けるべきもの」という感覚が刷り込まれている。
何か新しいことを始めようとしたり、チャレンジングな課題に取り組もうとするときに、その無意識が全力でブレーキをかけてくる。でも、「実験だし、失敗するかもしんないけどそれでもデータ取れるよね。失敗したら次いこ、次。」と軽い気持ちで取り組むアドバンテージは強い。
疑うことで発生するコストもある
面白いなーと思ったのは、「性悪説で臨むから、かかってしまうコストがある」というくだり。「支払いを踏み倒されるかもしれない」というリスクを避けるために、個人情報を入力してもらい、本人チェックを行い、入金を確認してから商品を発送する。一般的には当たり前に思えるこの業務フローに関しても著者は疑問を抱く。そして実験する。
CASHというアプリは写真を撮って送ると、そのモノの値段のお金がいきなり振り込まれる。実際にそのモノをユーザーが送ってくるかどうかはユーザー任せ。もちろん悪質なユーザーを後々締め出す対策は行っているだろうけど、それにしても豪快なやり方。おいそれと真似することはできないけど、発想の幅が広がった気がする。
光本勇介の感じる大きな時代の流れ
常に大衆向けのサービスについて考え、時代の先を見据えている著者が感じている時代の方向性みたいのが紹介されていた。僕みたいなパンピーからすると、そういう情報をキャッチして生かすことが重要になってきたりする。喉から手が出るほど欲しい情報だったりする。
で、その大きな時代の流れというのが
「人は思考しなくなり、所有しなくなる」
というもの。
確かに既にそういった流れは目に見えて始まってる。例えば僕が利用しているYouTube Premium Musicというサービス。自分の再生履歴からオススメのアーティストが勝手に自動再生一覧に出てきたり、マイプレイリストなるものを勝手に作ってくれる。そして、絶妙に「わかってるね~」といいたくなるようなチョイスをしてくる。思考しなくてもイイ感じのものを提示してくれてる。
将来的に僕ら人間は、日々ひたすら遊んで暮らすようになるのかな?労働というのが趣味というか、ある種のプレイみたいになるのかも。楽しみだ。
実験思考 世の中、すべては実験
常識の斜め上を行く発想ができる人の本を読むと、脳がグワッて広がるような感覚になる。たぶん何かしらパワーアップしてるんだろうと信じている。
単行本: 197ページ
出版社: 幻冬舎 (2019/5/9)
言語: 日本語
ISBN-10: 4344034635
ISBN-13: 978-4344034631
発売日: 2019/5/9
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