「お客様第一主義」とか「お客様は神様です」といったフレーズがあるように、日本では顧客を大事にするという文化が一般的です。しかし、顧客第一主義というのはお客様側にある程度の節度があって初めて成り立つもの。
現場でクレーム対応をしていると、どう考えても過剰要求と思えるケースも出てきます。クレームが発生したときの具体的な事例や対応の手順について整理しておくのがポイントです。
この本で得られたことをまとめました。日々の業務でクレームに悩まされてる方の参考になれば幸いです。
クレームを3種類に分けることで見通しをよくする
「お客様からのクレーム」と聞くと、すべてが同じ種類のもののように思えてきます。ですが、実際はクレームの中身も、正当性も1件ごとに異なります。本書ではクレーマーを次の3種類に分けています。
・ホワイトゾーン(正当な要求を訴えるお客様)
・グレーゾーン(日頃のストレスをぶつけてきたり、あわよくば金品をせしめようとするクレーマー)
・ブラックゾーン(詐欺や恐喝まがいの手口で金品をかすめとるプロクレーマー)
クレーム対応の入り口は同じでも、話を進めていく中でお客様のクレームを3つのどれかに分類します。そうすることで、クレーム対応にも一貫性を持たせることができますし、「お客様を大切にしなければいけないけれど、この要求にはこたえることができない」というジレンマに悩まされて胃が痛くなることもありません。
このように
・クレーム対応のマニュアル整備がしやすくなる
・クレーム対応する担当者の心理的負担が軽減できる
というメリットがあるので、クレームを3種類に分類するための判断基準を統一しておくのがよいと考えます。
クレーム対応の現場で役立つ、泥臭い対処法が具体的にまとまっている
全てのクレームが「お客様を尊重しつつ、こちらも譲歩してキレイに折り合いをつけましょう」というような教科書通りの対応で済むのであれば、誰も悩みません。実際のクレーム現場では、こちらの都合など一切お構いなしで全速力のクレームを投げつけてくるお客様なども存在します。
「この本いいな」と思ったところは、そういった悪質なクレーマーへの対処法が具体的に書かれていことです。
・クレーム対応で訪問した現場での対応は2人以上で臨み30分以内と決める
・次々と担当を替えて対応することで持久戦に持ち込む
・クレームによる長電話を強制終了させるフレーズ
などなど、現場で役立てられる内容が詰まっています。
仕事でのクレーム対応をなんとかしたい、とお悩みであれば一読をオススメします。
対面・電話・メールまで クレーム対応「完全撃退」マニュアル 100業種・5000件を解決したプロが明かす23の技術
単行本(ソフトカバー): 240ページ
出版社: ダイヤモンド社 (2018/9/13)
言語: 日本語
ISBN-10: 4478103771
ISBN-13: 978-4478103777
発売日: 2018/9/13
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