アドラー哲学を実践するときの注意点
前作「嫌われる勇気 ― 自己啓発の源流「アドラー」の教え」の続編。アドラー哲学に衝撃を受けた青年が教育者としてアドラー哲学を実践するも全くうまくいかない。理想とするアドラーの教えと現実のギャップに怒りを感じた青年は、哲学者のもとへ怒鳴り込み、喧々諤々の対話が始まる。
前作でのアドラーの教えを実生活に生かそうと思ったときに、つまずきがちなポイントについてより深く学べる一冊です。
悲劇の安酒に酔ってる場合ぢゃない!
哲人の話の中でも特に印象に残っているのが、「人は今の自分を正当化するために、過去を評価する」というもの。フツーに考えると、「幼い頃に犬に噛まれた経験があるから、犬が苦手になった」という風に過去の出来事が今の自分を形成していると思ってしまう。
でも、哲人は「犬が苦手」という自分に執着するための理由として「幼い頃に犬に噛まれた経験」を持ってきていると断言。すごいパラダイムシフト。確かに、本当に大事なのは、「これからどうするか?」の方なのに「○○な自分」を手放せないでいることがままある。
悲劇のヒロイン気取りから脱出するための、具体的な対処法にも触れている。カウンセリングに来る人のほとんどは、「悪いあの人」の話か「かわいそうなわたし」の話をするんだとか。でも現実的に問題を解決したいなら「これからどうするか?」が一番大切。
何か問題が起こったときに、「アイツの支持が曖昧だから納期が守れない(悪いあの人)」とか「私はこんなにがんばってるのに給料がちっとも上がらない(かわいそうなわたし)」という感情にとどまっていても何も解決しない。大事なのは「これからどうするか?」
この考え方は、自分の感情をしっかり観察する上でしっかりと持っておきたい。また、他の誰かと一緒に仕事をするときにも役立ちそう。
愛されるよりも、愛したい。マジで。
「ひたすら信じ、ひたすら愛して、他者貢献すること。」それこそが幸せになるために生き方。だからこそ「いま、ここを真剣に生きる」。これが本書の結論。シンプルで強烈だけど、いきなり実践するのはハードルが高い。
「なんとなく、そうなったらいいな。」くらいの気持ちで、取り組むのが私には丁度よい気がする。肩に力入れすぎて「あなたのこと信じます!愛します!」とかって押し売り感が半端なくてキモいから。
『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』はどちらも自分の考え方の幅を広げてくれました。著者をはじめ、出版してけた皆様、ありがとう。
幸せになる勇気 ― 自己啓発の源流「アドラー」の教えII
これを読めば「嫌われる勇気」を読んで、腑に落ちなかった部分がスッキリするかも。
単行本(ソフトカバー): 296ページ
出版社: ダイヤモンド社 (2016/2/26)
言語: 日本語
ISBN-10: 4478066116
ISBN-13: 978-4478066119
発売日: 2016/2/26
この本の前作も読みました ↓
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