数字でしか判断できないつまらない人間にはなりたくないと思ってた。でも、数字の威力を借りた途端に・・・
生命保険の加入を考えて、保険屋さんに見積もりを取ってもらったことありますか?「あなたの年収はいくらいくらなので、退職までにこれくらいの金額を稼いで、年金はこれくらいの見込みがあって…」「結婚して家を買うとこれくらいかかって、車のローン、子育てにいくらいくらかかって…」という説明が延々と続きます。
現実を数字に落とし込んで見つめるというのは、とても大事なことです。とはいえ、お金という数字をベースにした人生設計図を目の前に出されたとき、私は物凄く萎えた記憶があります。何か全てが予定調和のような気がして。その当時は私もサラリーマンの端くれで、生命保険のプランを説明してくれたのは若くて美人な女性だったんですが、それでもゲンナリでした。美人を目の前にしてもゲンナリということは、かなり気が進まなかったんだと思います。
「おいおい俺の人生を、しょーもない数字でこじんまりとまとめんなよ」
という気持ちが心の奥底にあったんでしょうねー。
ま、そんな感じで、どちらかというと「可能性は無限大」みたいなノリで生きている私なので、数字出して必達目標をクリアする、みたいなのは苦手です。しかし、この本を読んで自分なりに仕事を数字で管理し始めたら、めちゃくちゃ仕事が捗るようになってしまいました。数値化する→仕事が進む→時間が空く→別の仕事を進める→さらに仕事が舞い込む→数値化する→仕事が捗る…というワーカホリックループに入り込みがちなのが悩みどころです。
「なかなか仕事が終わらねぇ」という時は数字に落とし込んでみるといいことあるかも
「仕事が多すぎて終わらない…助けて」という時は、次の2つのどちらかのケースがあり
(1)本当に仕事が多くて終わらない状態
(2)仕事が山のようにあるかのように感じられて萎えている状態
ほとんどのケースでは(2)です。(1)のケースの場合は、上司に相談するとか、同僚に助けてもらうとか、転職するとか、とにかく逃げるという対処をするのがよさそうです。一方、(2)のケースはというと、現状把握が正確にできていればストレスが軽減されます。
たとえば、WEBサイト制作の仕事が舞い込んで来たとします。私はザックリと予想作業時間を出します。ま、業種や規模、お客様の要望によってブレはありますが、そんなのザックリでいいんです。この時点で合ってるかどうかは重要じゃない。具体的には次のような感じ。
・サイト構築(デザイン)10時間
・サイト構築(文章作成)4時間
・サイト構築(静的HTML構築)10時間
・サイト構築(WordPressに載せる)10時間
合計34時間で出来上がる予定なので、納期を3週間後くらいに設定しておきます。で、実際に作業を進めるときは、グーグルカレンダーに作業内容と時間を記録して、実働時間と予定時間を照らし合わせながら進めていきます。
34時間以内に仕上がればハッピーですし、それ以上かかったとしたら見直しが必要なんだなって感じです。この一見意味無さそうな雑な時間管理が、実は進捗把握につながってたりします。
どういうことかというと、デザインに割り当てた10時間のうち7時間使ったけど、残り3時間で終わりそうにないなー。クオリティーもイマイチだし、自分はデザイン苦手っぽい。よし外注しよう!みたいな発想になれます。数字をうまく使うと、「できる自分」も「できない自分」も感情抜きにして客観的に測れるようになる所がいいなと思ってます。
「これ絶対終わらねぇよー、無理だよー、何から手を付ければいいか全くわからんしー」
という種類の仕事でも、適当に時間を割り振って調べ始めると案外進むものです。課題発見、問題の具体化、解決策の実践、みたいなサイクルまで持っていけたら、大体の仕事は形になっていくものです。
ライフタイムバリュー(LTV)を伸ばせないか考えてみる
この本の中で書かれてたことで、もひとつ印象に残ったのがLTVを伸ばそうっていう話。LTVって、ライフタイムバリューの略で、一人のお客さんが生涯に渡ってもたらしてくれる価値のこと。「商(あきな)いは牛の涎(よだれ) のように」細く長~~~~くみたいなコトワザがあるけど、考え方としては近いかも。
LTV最強なビジネスは何といってもインフラ。電気・ガス・水道・電話って、誰もが毎月必ず払ってるよね。最近でこそ、やれ民営化だ、電力自由化だって選択肢が増えてきたけど、胴元が丸儲けな訳です。その分、設備投資やメンテナンスがめっちゃ大変だけど、軌道に乗れば鉄板なビジネス。新しめなのでいうと、独自ドメイン業者とかレンタルサーバー業者もインフラに近いかも。
さすがにそこまでビッグなインフラを手掛けるって、お金だけじゃなくって国とか政治家とか色んな力を借りないとなかなか難しいと思う。でも、自分の携わっているビジネスでもLTV伸ばせないかなーって考えるのはすごく重要だったりする。私の場合だと、「ホームページ作ってください」って言われて、「ハイ作りましたー」で終わるんじゃなくって、継続的なお役立ち情報の発信をサポートすることで月額費用をいただいたり、というアプローチをしたりします。
「スマホ対応しないと見てもらえませんよー」とリニューアルを促したり、「https対応しないとグーグル検索で不利になりますよー」とSSL/TLS導入を促したり、とお客様にとってプラスになることを提案しつつLTVを高めるのって大事。
新規のお客さんを獲得する努力も必要ですが、既存客リピートや単価アップはもっと必要です。コスパが全然違うので。まー、そんなこんなで、自分のビジネスにおいてLTVを伸ばすには何をすればいいかなー?と考えてみると、ビジネスが好転する可能性大です。是非考えてみてください。
孫社長にたたきこまれた すごい「数値化」仕事術
グーグルアナリティクスとかで数値を分析するのが三度の飯より好き、という方は、この本で紹介されてた「重回帰分析」とか参考になるかも。まー、そんだけ分析好きだったら既に知ってる可能性が高いけどね。
単行本(ソフトカバー): 317ページ
出版社: PHP研究所 (2017/8/19)
言語: 日本語
ISBN-10: 4569836798
ISBN-13: 978-4569836799
発売日: 2017/8/19
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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